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学園で最も近づけてはいけない2人。
互いに相性が悪い2人。
派閥の違う相入れない存在。
有象無象が、俺とあいつの関係をどう呼んでいるかは知っている。
崇高な風紀委員長様と、生徒会側の図書委員長。
風紀と生徒会が人気を二分する存在だとしても、やはり風紀の方がしがらみが多いだろう。
1人で抱え込んで、無理をしていないといいとは思っていたが。
ちらりと、先ほどの会話の中心だった人物を見る。
どこまでも凛とした瞳は、真っ直ぐに前を見つめていて。
伸びた背筋も、相変わらずのサラサラな灰色の髪も、頭から爪の先まで、全部磨かれるべきものだ。
俺は近づくことは叶わないが、周りに柏木のような存在がいるのは心強い。
ーーーー雪。
いい友達を持ったな。
自然に頬が緩んだことに気づき、慌てて引き戻す。
誰にも気が付かれぬよう自分を諌めて、前を向いた。
「現在分かれている各組が、体育祭、文化祭のチーム分けになります。後日、組ごとに集合し団長、副団長を決めていただきますのでよろしくお願いいたします」
ーーーー?
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