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まるで主人と従者のよう。
いや、これが本来の立ち位置か。
そう思い至り、那智は開きかけた口を閉じた。
美しい彼はまだ自分の主人を公にしていない。
四家のどの後継者にも付き従い、共に社交界へ出向いているのを何度か見たことがある。
しかしあまりにも、視線の先の二人がしっくりきてしまったのだ。
皆、自分と同じ考えなのだろう。
空気が変わったのを確かに感じた。
その一連の流れを満足げに見ていた主催者が楽しげに告げる。
「さあ、始めようか」
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