未定

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画面が消えた瞬間、沈黙が会議室を支配した。 誰も、何も喋らない。 何が怖いかって、いつもは助け舟を出してくれる篠塚くんや緋扇ちゃんまでも無言なのが怖い。 「い、いや。って言ってもちゃんと各々のパワーバランスは考えてますって!」 身体能力、部活動、果ては親衛隊のパワーバランスまで、考え抜いた結果なのだ。 そう取り繕うように宣言する。 やや一部私情が入ってはいるが、本当のことだ。 「柏木」 「ひゃい!!!」 それでも続く沈黙。内心冷や汗ダラダラの中、美しく低い声が響く。 反射的にそちらを向くと西園寺先輩が微笑んでこちらを見ていた。 「あなたたちの組の戦力、過剰すぎじゃありませんか?風紀のあなた達が武闘派なのはもちろんですが、その上尊までそちらに入るなんて。」 優しい口調、穏やかな表情なのに果てしなく恐ろしい。 というか、やはりそこに食いつかれたか。
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