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西園寺先輩は、気に入った人材を近くに置きたがる傾向がある。
中でも緋扇ちゃんは初等部の頃からの大のお気に入りで、直々に自分の後任である副会長に誘ったほどだ。
副会長を断られた時の不機嫌っぷりはすごかったわ…。
今回違う組み分けな時点で、一度は聞かれると思っていた。
「い、いやでも〜。風紀は体育祭中、出突っ張りな可能性ありますやん?その分戦力も士気も激落するんで、緋扇ちゃんが入るのが一番良かったんですよう」
不足の事態が起こった際、風紀は動かざるを得ない。そうなった時失った戦力を十分に補える人を選んだのだ。
「…………。はぁ…。まぁ、既に発表してしまっているものを覆すわけにはいきませんしね」
言い連ねる俺に、渋々といったように矛を収めてくれた先輩に一息つく。
たっぷり10秒は見つめられ、目が泳ぎそうになった。こわ。
「まぁ、色々と思うところはあると思うが、体育祭の組み分けは以上だ。今後、体育委員会、運営委員会を中心に回していくが、協力頼む」
そして、畳み掛けるように纏めてくれた東雲先輩に大いなる感謝を。
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