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「まぁ、変な競技をするよりマシですね…」
「変なお題とかよりもな」
「意義な〜し」
仕方ないとばかりに頷く者、ニコニコと手を上げる者、無言でため息をつく者。
様々な反応を見せるが、ほぼ全員が何らかの反応を見せた。
「じゃあ、決まりだな。尊、お前もいいな?」
東雲先輩が振り向きながら言う。
視線の先には美しい笑みを浮かべる緋扇ちゃんが。
「ご随意に」
ゆったりと頭を下げる彼を見て、優雅な所作が似合うなと思う。
それを痛いほど見つめる二つの目があることに気づいているのは、きっとほんの数人だけ。
常々、罪作りな人だ。
「何事もなく終われるよう、皆協力頼むな」
ほんとに、何事もなく終わればいいんやけど…。
一抹の不安は、案外当たるものだ。
それを身にしめて感じたのは、体育祭が終わった頃だ。
♦︎side K end
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