未定

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「緋扇ちゃん」 後ろから名前を呼ばれ、振り返ると。 柏木がニコニコとこちらを見ていた。 隣にはいつも通りそっぽを向く雪がいる。 「同じ組どうし、仲良くやろうな」 「…はい。こちらこそ」 律儀な奴だなと思いながらにこやかに返答すると、柏木はその顔になんか企んだような笑みを浮かべた。 大変嫌な予感がする。 「うちの大将とも、気安い感じでよろしく頼むわ!!!」 パァン!といい音をさせながら雪の肩を叩きいう柏木に、口角がヒクヒクと動くのを感じた。 思いのほか高く響いた音に、部屋内に残っていた者たちの視線が集まる。 いや、雪にそんなことできるのは学園ないじゃお前ぐらいだよ、あとその気安さも。 日常的なことなのか、叩かれた雪も不機嫌そうにジロリと柏木を睨むのみにとどめていた。 「えぇ……えっと、………よろしくお願いいたします。」 どう反応していいか分からずに、だんだんと視線が斜め下に向いているのを自 覚する。 あぁ、これでは、よろしくしたくないようではないか。 そんなこと、思っていないのに。
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