「あと、2年」

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なるべく音を立てないように、優雅に。 それでもただ、全力で走る。 頭の中は、後ろから聞こえてくる足音からどうやって逃げるかという一点のみに集中していた。 正直朝から走りたくなんてないが、捕まったが最後あの人たちにいいように遊ばれるに決まっている。 頑張れ自分。 自分に喝を入れ、さらにスピードを上げる。 そうして、しばらく走ると、後ろからの足音は聞こえなくなっていた。 辺りを見渡し、人影がないことを確認して、やっと一息つく。 「……今日、何の日だっけ」 先ほどの部屋の中の光景を考えると、何か特別な日だと思う。 「んー……まあいっか」 とりあえずしばらくここにいよう。 風邪と日差しが心地よい木の上で、そっと目を閉じた。
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