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暖かい感触と懐かしい香りに包まれる夢を見た。
その夢では、ゆらゆらと揺れる心地よい感覚が続く。
何か、安心する……。
朧げな意識の中で、目の前の人物を思い描く。
学園内であることを考えると、深い関わりを持つことがありえない人物。
夢の中でまで、求めてしまう人。
しばらくゆらゆらと心地よい振動が続き、最後に額と頬に柔らかいものが触れた気がして、目を開けた。
「………お?」
夢から覚めた時、俺は何故か保健室のベッドで寝ていた。
無意識に、何度か瞬きを繰り返す。
状況がつかめない。
何で俺、ここにいるの?
「よう、オヒメサマ。お目覚めか?」
状況を把握しようと頭をひねっていた時、カーテンの向こうから声が聞こえた。
声の持ち主は、カーテンを開くとこちらに近寄ってくる。
その人物の顔を見て、俺は盛大に顔をしかめた。
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