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いつのまにか、腰に回っていた両腕に力がこもったのを感じる。
後ろから抱きすくめられているような格好で、逃げ場が無い。
いや、逃げようと思えばやりようはあるが、この先輩を殴るわけにも行かない。
バックについているファンが怖い。
気がつくと後ろには先輩。前には恭介。
これは、詰んだ。
恭介の筋書き通りなのか、それとも自分の運が破滅的に悪かったのか。
頭の中でぐるぐる回る思考に、小さくため息をつき、強張っていた体から力を抜いた。
あー、疲れた。
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