「あと、2年」

9/46

1279人が本棚に入れています
本棚に追加
/183ページ
いつのまにか、腰に回っていた両腕に力がこもったのを感じる。 後ろから抱きすくめられているような格好で、逃げ場が無い。 いや、逃げようと思えばやりようはあるが、この先輩を殴るわけにも行かない。 バックについているファンが怖い。 気がつくと後ろには先輩。前には恭介。 これは、詰んだ。 恭介の筋書き通りなのか、それとも自分の運が破滅的に悪かったのか。 頭の中でぐるぐる回る思考に、小さくため息をつき、強張っていた体から力を抜いた。 あー、疲れた。
/183ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1279人が本棚に入れています
本棚に追加