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ジリジリと距離を取りたいが、そうした先が面倒なことになるのは明白である。
不服ではあるが、大人しくじっとしていよう。
各々が好きなように過ごしている様子を眺め、再度ため息をついた。
なんでここには面倒な人しかいないのだろうか。
「お前には、赤い首輪が似合いそうだな。俺もつけてやろうか?」
不意に、後ろから声がかけられる。
後ろを振り向くと、言葉とは裏腹の爽やかな笑顔で見下ろす男。
そのままするりと髪を一房取られ、指を絡められた。
「………東雲先輩」
「おう、尊。相変わらず逃げ回ってみたいだな」
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