「あと、2年」

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♢ あの後、式が終了し教室に戻る生徒に紛れて外に出た。 授業中ということもあり、誰もいない中庭を通り抜け目当ての場所に向かう。 「ったく、ひどい目にあったぜ」 朝からだまし討ちされ、走らされ、からかわれ、散々だ。 疲労感を散らすように、景色を見ながらゆっくりと歩く。 「ん?」 目の前の建物に人影が見え、歩みを止める。 “如月学園 第二図書館” 普段生徒達が利用している第一図書館から、20分ほど離れた場所。 学園の敷地のさらに奥。深い木々を抜けた先。 第一図書館よりも古めいた建物。 立ち入りが許されているのは、図書委員長が許可を出し専用のパスを持つ限られた生徒と、事前に申請し許可が出た生徒。 この時間にこんなところにいるのは、前者。おそらくパスを持っている生徒だろう。 「一応、確認しておくか」 専用パスを持っている生徒は、執行部の生徒、前図書委員長の知り合い、人気上位者、そして。 「…っ!緋扇様」
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