「あと、2年」

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風紀委員たちを見送り、やっと一息つく。 「疲れた…」 読書用に設置された椅子に腰かけ、肩の力を抜いた。 そのままぼんやりと窓の外を眺めていると。 「災難だったな」 後ろから不意に声をかけられた。 「うるせぇよ、お前こそ珍しく式に参加してたんだな」 首だけ後ろに振り向き、そう答える。 そこには、たった今入ってきたとでもいうように入場カードを振り、こちらに歩いてくる棗がいた。 なんとなく、今日はどこかで会う気がしていたのだ。 いつもは参加しない式典に棗の姿をとらえた瞬間に。 あの時は、思わず目を疑ったものだ。 周りの生徒も、式典そっちのけで棗の事を凝視していたし。 「あぁ」 おや、なんだか不機嫌…? いつもの無表情は変わらないが、いつもより低い声のトーン。 「どうかしたのか?」 「…いや」 どうやら答えるつもりはないらしい。 どういう心境の変化があったのやら。 ふーん、と一言返し、正面の椅子に腰かける棗から目をそらした。
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