「あと、2年」

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赤の宮と黄の宮は目立つ場所にあり、美化委員会や園芸部員が手入れをしているが、この青の宮は違う。 此処だけは、学園の用務員が手入れを行うため、生徒が存在自体知らない。 昔、好奇心だけで森に入り見つけて以来、度々訪れている。 ほとんど人と出くわすことがないこの場所は、とても居心地が良いのだ。 最近はめっきり減ったが、一時期は毎日のように此処へ足を運んでいた。 なんだか、懐かしいな。 「下手な奴に願い事なんてされたくねぇからな」 ぼんやりと噴水の水の音を聞き、鮮やかな花々を眺めながら答える。 この場所なら、一般生徒は近寄らないし大丈夫だろう。 「ふーん。俺が見つけてやろうか?」 「………あ?」 まさかこの男からそのような言葉が出てくるとは。 その一瞬で自分の思考が止まった事を自覚し、無意識にパチパチと瞬きを繰り返す中、その端正な顔を見つめ続けた。
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