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「ヒントは"清明・失望・夢の中の恋・不変の愛・気品"です。この青い空のような鮮やかな色彩の中で宝箱は"あなたを信じて待って"います」
全くピンと来ていない顔をしている生徒たちの横を通り、下へと続く階段を降りる。
あの生徒たちが気がついたということは、あの場所に俺がいると広まるのも時間の問題だろう。
また囲まれる前に、場所を移動しよう。
人の気配を探りながら、誰もいない廊下を歩く。
この特別教室棟はその名の通り、調理室や理科室などの教室が集まっている。
さて、次はどこへ行こうか。
考えながら歩いていると、ある場所が思い当たった。
数ある教室のない中の今は使われていない場所。
特別教室棟の4階の一番端。第3音楽室を次の移動場所に決め、先ほど降りた階段を登る。
「……あ」
4階にたどり着くと、今回の目的地の戸を開こうとしている人影が。
しまった、同じことを考える奴がいたのか。
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