「あと、2年」

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不意に後ろから顎の下に手が差し込まれ、後ろに倒された。 しまった、油断した。 いったい誰だと反射的に閉じていた目を開けると、そこには見知った顔が。 「…何ですか、恭介。いきなりこんな事をして」 というか、この状態きついんだが。 顔を強制的にほぼ真上にあげられ、目の前にはたいそう整ったご尊顔。 どういう状況だ、これ。 何も言わないこの男の顔を黙って見上げていると、小さく笑う声が聞こえ、不機嫌そうな俺の顔を写していた瞳が緩む。 「歩いてたらお前の姿が見えたからな。またサボってるんじゃねぇかと思って」 ベンチの背面から移動し、俺の隣に腰かけた恭介を睨んだ。 「失礼ですね。ちょっと休憩していただけですよ」 「ふーん」 ニヤニヤと笑い全く信じようともしていない様子に、にこやかな笑顔の下でこのやろうと呟く。 「そういや、お前の宝箱のヒント聞いたぞ。お前見つけさせる気ないだろ」 「当たり前でしょう。変なお願いをされても困ります。大丈夫ですよ、万一場所が特定されても、手は打ってありますから」 そう、きっと棗がいの一番に青の宮に取りに行っているはず。 それでも、さすがというべきか。 俺の家も含め、この手のお家の奴はあのヒントだけで隠し場所の検討がついてしまう。 そんなに分かりやすいヒントは出していないはずなんだが。
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