「あと、2年」

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「聞いてなかったこと…?」 一体なんだろう。 こいつに怒られることをした記憶は多々あれど、そこまで真剣に聞かれる様なことをした覚えはないと思う。 ずっと俺の手をに握りこちらを見つめる目に先ほどの様な重みはない。 そのことにわずかに安堵し、そして続く沈黙に耐えきれずこちらから口を開いた。 「恭介?どうされました?」 恭介が黙って見つめて、耐えきれず俺が口を開く展開に、なんかデジャブ…?と首をかしげる。 宝探し中だというのに人一人通らないなんていうのもおかしい。 まさかまた何か企んでいるのではと、一瞬身構えた、その時。 「なんで生徒会に入らなかった」 やっと口を開いたかと思えば、予想もできない様な問いかけで。 しかしそれはこちらの核心をつく、突かれると痛い疑問で。 「お前、去年は書記やってたろ。普通はそのままいるのが通例だ。しかも、一ノ瀬先輩の直々の後任の指名を蹴ってまで、お前はどうしてそこ(図書)に行った。」 自然と眉が潜まるのを感じた。 こちらを真っ直ぐに見つめる切れ長の瞳から目を逸らすことができない。 視線も、話題もなかったことにして、この場を立ち去りたいが、きっと許してくれないだろう。 さあ、どうしようか。
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