「あと、2年」

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思い出されるのは、昨年の冬。 凍てつく様な寒さの中、校舎裏に呼び出されて渋々赴いた。 大人しく赴いたにもかかわらず、なかなか呼び出した張本人は現れず、待つこと2時間。 やっと現れたと思ったら、輝かんばかりの笑顔を振りまき一言。 「ご苦労様」 そのどこぞの王子さまの様な顔を殴らなかった自分を盛大に褒めて欲しい。 退屈だし寒いしむしろ痛いで、最上級にイライラしていた気持ちをどうか察してくれ。 「お話とはなんでしょう」 あくまでも優雅に微笑みながら、返した言葉に先輩は面白くなさそうに顔を歪めた。 「たいした事じゃないよ。君に僕の後を継いでほしいってだけ」 「…後?」 先輩の後、というと、思いつくのは生徒会の役職しかない。 今は初等部からの流れで書記をやっているが、来年からはやるとしても委員会でと思っている。 理由はいくつかあるが、言っても理解が得られないだろうし、言おうとも思わない。 「…申し訳ございませんが、『ーーーーーーーーー』」
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