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自分も人のことを言えたものではないが、この男は極端な面倒くさがりだ。
必要最低限のことしか行わず、それでも成績も評価も悪くないのだから要領はいいのだろう。
「まぁ、俺も行かなかったけど」
つい口から漏れた呟きは、どうやら相手に聞こえていたようだ。
普段、感情の起伏の少ない端正な顔が、驚いたように目を見開くのが見えた。
「お前…『執行部』から抜けたのか」
「ん？いや、一応まだ席はおいてある」
曖昧に返事をすると、それ以上答える気はないと察したのか、呆れたようにため息を疲れた。
「お前が抜けると、俺にまでとばっちりが来るからな」
「なんで」
「お前の抜けた穴は、俺が埋めるって思ってる奴等がほとんどだぞ、この学園」
なにその2つセットでお買い得感。
確かに、棗とは何故か初等部からずっと部屋が一緒という快挙を成し遂げた腐れ縁だ。
もう一人、初等部からクラスがずっと一緒で出席番号も前後の腐れ縁も一人いるが。
「お前、受けないじゃん。その話来ても」
「まあな」
授業もよくサボるこの男が、そんな面倒くさい事を引き受けている姿が想像できない。
それ以降その話は出ず、終始和やかな雰囲気のままゆっくりと登校の準備を始めた。
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