「あと、2年」

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あくまでも普段通りに、困った様に笑って告げる。 「いえいえいえ!いいものを見せていただきました。それでは、文月様の願い事は、緋扇様の髪結い紐をもらうということで」 「えぇ、お願いしますね」 ちなみに、棗の馬鹿は俺から離れた後さっさと講堂から出て行った。 お前本当、あとで覚えとけよ。 それから。 宝箱を見つけた生徒たちの願いは様々続き。 例えば、お茶会であったり、写真撮影だったり、ハグだったり。 宝箱が見つからなかった役員もいた様で。 恙無く進んだ表彰式に、安堵のため息を1つ。 最後は役員たちの責める様な視線と追及の声を振り切って講堂を後にした。 こうして、新入生歓迎会は同室の男のせいで少しの苦い記憶を残しつつ、無難に終了したのだった。
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