「あなたの笑顔が曇らぬように」

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「ーーー以上が図書委員の業務になります。来週からはお配りした資料のとおり当番制で図書館の整理を行っていただきます」 質問はございますか、と微笑んで告げると、まばらながらも手が上がる。 その中で、悪目立ちなほど大袈裟に手を振る生徒が一人。 「はいはーい!緋扇サマの好みを教えてくださーい」 間延びした口調で愛想よく声を上げる生徒は、おとなしめの優等生が多い中、容姿だけでも一際目立つ。 目立つと言うか、浮いている。 ゆるいパーマをあてた茶髪。 タレ目に泣きぼくろ。 うん、色気ダダ漏れ。 確か、親衛隊持ちだったはず、と名簿に視線を滑らせる。 そう、名前はーーーーー
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