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「朝比奈 蛍君、ですね。好み、と言われると難しいのですが。そうですね…自分の意思をはっきり持たれている方は好ましいと思います」
何聞いてんだこいつ。
と言う気持ちを悟られぬ様、笑みを絶やさず返答した。
にもかかわらず、当の本人は、こちらをガン見して動かない。
え、何か変なこと言ったか?
先程の会話を思い出すも、特段思い当たる節がない。
そうして沈黙が続き、周りの子も少しざわめきだして。
「あ、朝比奈さま?」
「ぇ…あ、っありがとうございまーす」
隣に座る子に声をかけられてやっと視線が外れた。
当の本人は驚愕した様な顔を一瞬で隠し、お礼を言ってから、頑なにこちらを向かなくなる。
一体なんなんだ。
首を傾げても、答えは帰ってくるはずもなく。
まぁいいか、と忘れることにした。
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