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その端正な顔に。甘い目元に。満面に朱を注ぐ。
そして。
「え…」
なんで、俺睨まれてんの。
先ほどの質問の時の様子からは、こちらへの関心はそれほどないと思ったが。
視線が絡んだ直後、鋭く睨みつけられた。
色気を放っていた垂れ気味の目元は釣り上げられ、甘い色気から危ない色気へと変化している。
えっと、これは…。
もしかしなくても、超嫌われてる…?
こちらの困惑をよそに、朝比奈はぺこりと一礼し図書室を出て行った。
静かな図書館に一人佇む。
周りの雑音がない分、思考は回りやすいが。
怒りで顔をあんなに赤くするなんて…、俺、あいつになんかしたか?
いくら考えても、接点が思い出せないまま、そのうちまぁいいかと忘れることにして、本を手に取った。
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