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第3図書館は、第1、第2よりも幾分か規模が小さい。
蔵書も専門分野ばかりで、一分野に特化した生徒が集まる印象だ。
ゆっくりと戸を開けると、古びた木の擦れ合う独特な音が響く。
古い建物だが、改修はあえてしていないらしい。
響いた音に反応し、何人かの視線がこちらに集まった。
ちらりと周囲を見渡し、視線の主を把握する。
カウンターの図書委員、入口側に座る生徒たち、そして。
こちらを凝視する、お目当の生徒。
本の整理をしている途中らしく、その手には数冊の本が積まれている。
真面目にやっているというのは本当のようだと1つ頷く。
「こんにちは。第3図書館は異常ありませんか?」
視線を外し、カウンターへ歩み寄り、中にいる何人かに声をかける。
「はい、緋扇様。こちらは変わらず静かに過ごせています」
相変わらず平和らしい返事に、了解したと小さく返した。
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