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嵐が去った後、俺はゆっくりと2階へ続く階段を上っていた。
二階の通路を目的の人物を探しながら歩く。
「あ」
見つけた。
ちょうど最後の一冊を戻し終えたらしいその人物に声をかける。
「こんにちは、朝比奈くん」
声をかけた瞬間、ピタリと動いていた手が固まり、その後ゆっくりと振り向く。
「…どーしましたかー?緋扇サマ」
にっこりと笑みを向ける朝比奈に同じく笑みを返した。
「あなたに伺いたいことがありまして。今お時間大丈夫でしょうか?」
あちらでお話ししませんか、とテラスを指差し告げると、朝比奈は瞳を最大限にそらして、小さく頷いた。
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