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「私たち、無事にたどり着けるかな? 」
「大丈夫だよ。絶対にたどり着ける」
俺は彼女に誓い、星に無事を願った。だがタイムリミット1週間前になるとある事件が発生してしまった。
ガシャーン
「はあはあはあ、苦しい」
「アイラ。大丈夫か? 」
突然アイラが胸を押さえながらその場で倒れてしまった。俺は急いでアイラを抱えて処置室へと駆け込んだ。
アイラは子供の頃、事故の怪我により機械製の人工臓器で生命を維持されていた。恐らく惑星の終焉とガスの汚染によりシェルターで生成される酸素が少なくなったせいで機械の誤作動が起きたようだ。
俺は急いでアイラの治療を開始した。焦りによる震えから思うように手が動かせない。普段なら機械工学を得意とする俺が情けない。
「絶対に死なせない。必ず助けてやる」
治療は実に4時間を要したが何とか再起動させることに成功した。だが酸素を多く必要とするアイラの身体が1週間もつ保証は無い。
容態が落ち着き、眠りについたアイラの寝顔を見て俺は涙を流しながら何度も 「ごめん」 と謝った。
そして運命の時がやってきた。
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