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第3話
宇宙を旅する俺とアイラはまさに 「銀河のアダムとイヴ」だ。無限に広がる漆黒の宇宙空間はどことなく俺達の心境と同じだった。
だが宇宙船の酸素だって限りがある、計算上だと地球までもつ予定なのだが‥
「ご飯できたよ」
「ありがとう」
俺が航路データと睨めっこをしているとアイラが笑顔で夕飯を用意してくれた。俺は特製のミートドリアに舌鼓をしながら流れる宇宙空間を眺めてひとときの時間を過ごした。
だがアイラはどこか浮かない様子だ。スプーンをコトンとテーブルに置くと
「私たち無事に地球へたどり着けるかな? 」
「大丈夫だ。酸素もまだ十分にある」
俺だって不安はあった。だが酸素もあるし無事脱出できればこっちのモノだ。
だが気がかりなのはいつアイラがまた発作を起こさないかと言う心配だ。
俺は何とか笑顔でアイラの不安を紛らわせた。
この日、俺達は小惑星の流星群に出会うこととなった。我々の星では旅の祈願をすれば無事にたどり着けるという言い伝えがあった。
俺とアイラは無事に地球へたどり着けることを祈願した。
その後、何事も無く地球へ向かって進んでいた。だが神様というモノは残酷だ。
太陽系に突入した俺達はあと数日で到着すると思っていた矢先に事件は起きた。
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