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第1話
「私たちの星が‥ 」
「クソ‥ 俺達は住む世界を失ってしまった」
この日、俺達が生まれ育った惑星が消滅してしまった。俺達2人は脱出した宇宙船からまばゆい閃光を放ちながら花火のように大爆発する姿に目を反らせなかった。
俺の名は、レノ16歳だ。こう見えても惑星ではかなり有名な科学者だ。そして隣で涙を流しながら、生れた星の最期を見届ける少女は
「アイラ。俺達は必ず生き残って。地球へたどり着くんだ」
泣き崩れているアイラの背中を優しくさすってあげた。アイラは肩まで伸びた赤髪の女性で俺と幼なじみだ。
アイラは力なくコクリと頷きながらゆっくりと立ち上がって寝室へと向かった。
俺達の惑星は銀河系の中心に位置する場所にあり、7つの海と5つの大陸国家で成り立っていたきれいな惑星だった。
だが、人々は文明の発展のために惑星に伝わる禁断の科学兵器の開発競争を繰り返すことで戦争と環境破壊を行った。
10年前
俺の父親は軍事産業の研究員をしていてこの星で一番の科学者だった。だが国家間の戦争でパンドラの箱とも言われた 「禁断の書物」 が惑星図書館から何者かの手によって盗まれた。
そこに記されていたプルトニウムで構成されている、意思を持つ死の生命ガス兵器により地上の水や酸素が汚染され、生物の細胞などが全て破壊されてしまい、俺達2人を残して人類が滅亡してしまった。
俺とアイラは事前に情報を得た父が避難させてくれた地下のシェルターで密かに数年前から脱出用のロケットを制作していた。
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