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紗恵が南から報告を受けたのは藩邸で仕事をしている時だ。
時間は昼頃。
「…明日から巡察強化かぁ。その上山川屋もとは。とりあえず桂さんと相談しよう」
紗恵は仕事に一段落つけると、桂のもとに向かった。
「紗恵さん、待ってたよ」
桂のところには既に稔麿や肥後藩士 宮部鼎蔵が居た。
「お待たせしました。南さんから話は聞きましたね?どうしましょう」
「会合を開くべきだ」
桂ははっきりと言った。
稔麿や宮部も頷く。
「私も賛成です。場所はどこにしますか?」
「池田屋、かな」
稔麿が提案した。
(池田屋…か。池田屋事件は回避できたし、大丈夫なはず。でも池田屋って聞くだけで怖くなる)
紗恵は目を伏せる。
「紗恵、どうしたんだ?」
稔麿が心配そうに声をかけた。
「いえ、なんでもありません。池田屋にしましょう」
「夜四ツ(22時)には集合するよう伝え広めるように」
桂が稔麿に指示を出した。
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