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「で、いつ飲ませてくれるのですか?」
紗恵は目を輝かせて桂に聞いた。
「いつでも良いが、いつが良い?」
「では明日にでもアフターヌーンティーをいたしましょう!」
「あふた…?」
「おやつのことです。私がエゲレスのお菓子を作りますね」
「おやつか、了解した。では明日昼八ツ半(15時)頃、我が家に来てくれ。菓子は4人分作ってこい」
「はい」
「これは材料費。こんだけあれば足りるか?」
桂が紗恵に渡したのは1朱。
1万円ちょっとだ。
(あいっかわらず太っ腹!いや、お金持ちゆえに金銭感覚がおかしいのか?)
「充分です。ありがとうございます」
(さて、なにを作ろう。マフィンやらケーキやらを作れればいいんだけど…問題はバターが手に入らない)
紗恵は稔麿と共に街に買い物に来た。
先日の襲撃のせいで、かなりびくびくしながらの買い物にはなるが、アフターヌーンティーのためなら多少の危険は顧みないと街に繰り出した。
稔麿は新撰組に目を付けられていて安全とは言えないが、紗恵がならず者に襲われることを一番に恐れて同行した。
紗恵は材料を買い揃えつつ、小物屋に寄ったりしてショッピングを楽しむことにした。
実は最近、必要外で街に出ていなかったのだ。
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