紅茶を味わうために

4/11
前へ
/281ページ
次へ
「すごい良い香りがするな」 隣で製菓作業を見ていた稔麿が言った。 「ジャムができたら味見をしましょう!」 「うん。ジャムっていうのは何?」 「砂糖で煮詰めて、保存ができるようにした水菓子(果物)のことです。とっても美味しいんですよ」 「それは楽しみだ!」 スコーンが焼けたら、次はジャム作り。 ビワの皮をむいて、種を取り、適当に切る。 保存を目的とはしていないし、ビワは甘いので、砂糖は少なめの2~3割程度。 あとはじっくりと煮詰めて完成だ。 「稔磨さん!できましたよ」 紗恵はお皿にスコーンを置き、隣にジャムを添える。 「じゃあ味見をしようか」 「はい!真ん中を包丁で切って、このジャムをのせてください。エゲレスではそうやって食べるんです」 稔麿は言われた通りにして食べた。 「これは美味い!これなら桂先生も喜ぶと思うよ」 「ありがとうございます。じゃあ明日のお菓子はこれで決定ですね!」
/281ページ

最初のコメントを投稿しよう!

153人が本棚に入れています
本棚に追加