紅茶を味わうために

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次の日、スコーンを入れた重箱とジャムを入れた壺を包んだ風呂敷を手に桂の自宅に向かった。 「桂さん、こんにちは」 桂の隣には、とても綺麗な女性がいる。 「よく来たね。紗恵さんは初めて会うかな。隣は幾松」 「幾松さん、初めまして。稔磨さんの妻の紗恵です」 「幾松どす。小五郎はんから紗恵ちゃんの話は聞いてますぇ」 紗恵と幾松は互いに頭を下げた。 (一体どんな話をされていたんだろう。桂さんのことだから変なことまで話されてそうな気がする…) 「桂さん、お約束のお菓子です」 紗恵は風呂敷を渡した。 「では早速、茶にしようではないか」 「ほなうちはお茶を入れてきます」 「私も手伝います」 幾松が席を立ち、紗恵も後を追った。 「アールグレイとセイロンですね…とてもいい香りです」 「よぅ知ってはるなぁ」 「以前横浜に居ましたので」 紗恵は未来で得た知識は、全て横浜居留地で得たものにしてしまうことにした。 横浜では通じない大ぽかをやらかした時は、桂と稔麿にフォローに回ってもらっている。
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