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「さっき解散したのに、今度はなんなんだ?」
原田は疑問を呈する。
「なにか伝え忘れでもあったのでしょう」
沖田が応える。
「あの土方さんに限ってそれはねぇだろ」
「まあ、行けば分かりますよ」
「単刀直入に言う。今日必ず尊攘派は会合を開く。そこを俺ら新撰組が襲撃する!前回は失敗したが、今回こそは必ず成功させて、京の街が火の海になるのを防がねばならん!!」
開口一番、土方は切り出した。
一同は騒然とした。
「土方さん、なんでさっき言わなかったんですかい?」
8番隊組長 藤堂平助が問うた。
「監察方 南が尊攘派の間者だからだ」
「は?」
「じゃあさっきの会議は全て筒抜けじゃねぇか!」
原田は勢いよく立ち上がった。
「原田、座れ。それこそが狙いだ」
「説明してください」
沖田が言った。
「ああ。まず南を会議に参加させた目的は、今夜会合を開かせるためだ。1つ目の話であった藩邸近くの巡察強化は明日から実行すると言った。今夜会合を開いて、対策を練るはずだ」
「その根拠は?」
「桂らは馬鹿ではない。問題を先送りになどせず、早い内に対処しようとする。それは以前、村岡屋がすぐに廃業したことが何よりの証拠だ」
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