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消えたモニターには、ゲームのチャット板と、残り1分という表示だけが表示された。
(死ん…だ?いや、まさか、そんな…まさかまさかまさかまさかまさかまさか――)
ひんやりとした汗が、恐怖で熱くなった皮膚を伝っていく。一縷の望みをかけてコントローラーをガチャガチャと動かしても、何の反応もない。あと5分だったカウントダウンはどんどんと5分から数を減らしていく。4分、3分と、じわじわと迫りつつある得体のしれない恐怖に、かけるの手が震える。
ガチャリ
ドアが、開いた音がした。
そういえば、家の中がひどく静かだ。
いつもであれば、まだ、家族の誰かが居間でテレビを見ている時間なのに。
異様な静けさと、悪寒が、かけるの恐怖心を煽る。
残り2分。
後ろに何がいる?
今、何が起きている?
今、目の前で、みずきが――
『 次 は キ ミ の 番 だ よ 』
気が付けば、首元にはのこぎりがあった。
血がべっとりとついた、のこぎり。
【この世からログアウトする?】
Yes or Yes
モニターに、そんな文字が表示される。そんなわけないだろと思いつつも、かけるは身動きを取ることができない。金縛りにあったかのように、全く、動けない。
冷汗がほほを伝う。震えているのがわかる。
「おまえ…おまえが…おまえが、おまえが…!」
首筋に伝わる、生暖かい感触。
(本当に、あの時みずきを――)
残り時間のカウントが、0秒になる。
大男が不敵に微笑んだのが、暗い画面に反射した表情から見える。
『これからキミはシにます』
その瞬間、のこぎりがかけるのあご下を薙いだ。噴出した血飛沫が、モニターを汚す。
大男は回転する椅子をまわして自身の方にかけるの体を向けると――
『じゃあね』
四肢を切り離し、首をはねた。
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