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『こんな僕が荒川さんに告白ろうなんて、おこがましくてできません』
2017年の秋。
偶然、書店で講談社ラノベ文庫の
『こんな僕が荒川さんに告白ろうなんて、おこがましくてできません』
(清水苺)
を見つけた。背表紙に書いてあるストーリー紹介に魅かれ、出だしを読んでみたら抜群に面白かった。
いまのところ、ラノベで熱中して何十回も読み返したのは、全二巻のこの作品くらいである。
キャラクターがとにかく魅力的だった。
この作家の特徴だけれど、とにかく何人ものキャラクターが、だれが主役を演ってもおかしくないくらい深く心に刻みこまれる。
平凡な分かりやすいヒロインがひとりもいないというのは、ある意味すごいことではないかと思う。
そして作品世界が深い。
行間に「なにか」が隠されている。
その「なにか」をどうしても探したくなる。
隅々まで読んで、自分の回答を探したくなる。
作品のパワーに圧倒される思いだった。
この作品を読み終えたとき、初めて僕は思った。
ラノベって面白いじゃないか。
こんなラノベを書いてみたい。
自分に書けるだろうか?
だけど挑戦してみたい。
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