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前作のあらすじ
都倉(とくら)真咲(まさき)は、高校二年生の夏に、母親が離婚したために、母の郷里である石川県緑川市(架空の田舎町)に引っ越す。決して学校内外で良好な人間関係を築いていたわけではなかったが、彼女は東京でのプチブルの部類に入る暮らしを気に入っており、モスはおろかマックすら無い。コンビニにわざわざ車で行くという緑川の暮らしぶりにカルチャーショックを受ける。
――夏休み中に、桜井(さくらい)和貴(かずき)たちと出会い、祭りに連れだされ、初めて神輿を担ぐという、興奮に満ちた一生忘れられない経験をするものの、田舎そのもの及び子どもを従わせる大人たち。よそ者にあからさまな好奇の目線をよこす同級生たちに対する嫌悪感を失わせるほどの威力はなく、やがて、彼女は孤立していく。
『甘ったれんな』
そのとき、彼女に厳しい言葉をくれたのは、蒔田(まきた)一臣(かずおみ)及び彼女の祖父だった。桜井和貴の影での働きもあり、彼女を仲間はずれにしていた主要人物である小澤(こざわ)茉莉奈(まりな)とも仲直りし、徐々に、学校に溶け込んでいく。
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