前作のあらすじ

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 クラスメイトである長谷川(はせがわ)祐(たすく)が創設したパソコン部が、和貴をはじめとする仲間たちとのつながりを強固にしてくれた。彼女は部員と親睦を深め、パソコン部での活動にのめり込んでいくうちに、自分の道を自然と切り開いていく。他方、母への憎しみは彼女のなかで温存されたままだった。  以降、彼女は、自分の本当の父親が、書籍を通じて敬愛していた一流の心理学者であったという事実。淡い恋心をいだいた相手である蒔田一臣が前の彼女と復縁するなど、決して楽しいだけの学生生活を送ったわけではないが、そのときの葛藤。都度触れる桜井和貴や親友の宮沢(みやざわ)紗優(さゆ)の優しさ、そして口には出さずとも見守ってくれている母と祖父母の愛情の深さを知る。愛憎の精神構造を理解した彼女は、こんな自分だからこそ、父と同じ臨床心理の道に進みたいと思うようになる。――なお。真咲にカウンセラーになることを進言したのは和貴である。
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