真実の花が開くとき【完結】

前作のあらすじ

　やがて。真咲は、実父が教鞭をとる第一志望の大学ではなかったものの、埼玉県内のとある大学に合格を果たす。唯一の肉親が緑川に住まう和貴は、緑川で介護職に就くことが確定事項。――恋い焦がれる和貴と遠く離れることに悲しみを覚えたものの、上京前日。パソコン部三年生の皆で桜井家に集まる夜は、楽しく過ごすことを優先し、気丈に振る舞う。そして一旦は、和貴への想いを胸に仕舞いこみ生きていくことを決めたものの、彼の家を出たあとに、祐をはじめとする皆の勇気に背中を押され、桜井家に戻り、生まれて初めて自分から愛を告白する。――ここで、実は長らく真咲を想い続けていた和貴とようやくして結ばれる。初めて愛されるという経験は、真咲に鮮烈な記憶を残した。