558人が本棚に入れています
本棚に追加
「本当に送ってもらっただけよ。病院に寄って薬をもらってから、家に送り届けてもらったの」
ジョンはわたしたちのことを知らない。
あくまでも上司と部下の関係としか思ってないだろうから、こう話しておいたほうがいいと思った。
「それ嘘だろ……?」
「え……う、嘘って―――?」
「だから!送り届けてもらっただけじゃなくて、そのまま仲森さんを家の中に入れたんだろ!?」
「え……ど、どうしてそれを……」
どうして仲森さんを家に入れたことをジョンが知っているの……?
わたし、誰にも話していないし、仲森さんも人に言いふらすような人じゃない。
「麻菜が倒れた日、様子を見に行ったんだ。何度もチャイム鳴らしたんだけど、全然出なくて」
「ジョン、来てくれたの……?」
「まぁね、心配だったから。仕事が終わってからすぐに」
もしかしたらジョンが来てくれた時って、わたしがちょうど寝ていた時かもしれない。
その時は仲森さんも寝ていたから、出られなかったんだ。
今思うと、そのタイミングでよかったって思う。
最初のコメントを投稿しよう!