第2章 Change

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だって、もしあの時仲森さんが出ていたら、彼が家にいたことが知られてしまうもの。 「その時はただ寝ていると思ったんだ。“一人で”」 ジョンは最後の“一人で”を異様に強調してくる。 もしかしてバレてしまったのだろうかと、探るようにジョンの表情を盗み見た。 「まさかその時、仲森さんまで麻菜の家にいるとは思いもよらなかったけど」 「ジョン、どうしてそう言い切れるの?仲森さんがわたしの家にいるところを見たわけでもあるまいし」 「まぁ、確かに家にいるところを実際に見たわけじゃないよ。でも見たんだ。次の日の朝、麻菜の家から出てくる仲森さんを」 「う、嘘……」 まさか本当に見られていたなんて…… これじゃあ、言い訳のしようがなくて、黙って俯くしかない。 「やっぱり朝まで仲森さんと一緒だったんだ?」 「あの……だから、それは……」 「仲森さんは看病してくれただけ?」 「確かに仲森さんは朝までいたけど、本当に看病してくれてただけだから」
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