0人が本棚に入れています
本棚に追加
終わりの幕開け
2020年7月18日、僕は死んだ。
辛かった。誰にも言えない何かを抱え込んだまま僕は空を飛んだ。
空の中はすごく気持ち良くて、気持ち良くて、笑いながら僕は泣いていた。
空から見る地球は素晴らしかった。
それは飛行機に乗っていた時に感じた地球よりもすごく大きかった。
僕はあの地球の中で確かに生きていたんだ。
なぜだろう。
今になって僕の悩みはちっぽけだったのかもしれないと急に身体が震えだしてきた。
小さな地球からたくさんの人々が僕を見ているような気分にもなった。
「お前はこんな悩み如きで死を選んだのか?」
「さぞかし天国で後悔するだろう」
「大事な人を残して死ぬなんて不幸者」
地球からみんな僕に向かってそう言ってきている気がした。
「うん。そんな気がした。」
でも僕は後悔なんてしていない。
自分の人生を全うした。
三十路で死んだって立派な人生歩んできたんだから。
生の長さは人それぞれ。
早くに死ぬ人もいるし、100歳になっても生き続ける人もいる。
どれも素晴らしい人生。
人生に短いも長いもない。
最期の時に幸せだったと思えれば僕の人生は勝利して幕を閉じることができる。
他人は他人。
僕はぼく。
他人と比べちゃいけないよ。
他人の言った言葉は聞き流すがいい。
それが無理そうなら、ちょっとひと休みしよう。
きっと疲れているんだ。
身体をリセットしてまた歩き出そう。
ゆっくりでいい。
これだけは言わせてくれ。
君はひとりじゃない。自分を大切に。必ず明るい明日が来るから。
最初のコメントを投稿しよう!