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悲しい恋の物語
「それは遠い遠い昔の話。悲しい恋の物語。」
彼女の声に誘導されて、本の世界へと引き込まれる。
物語の始まりは、ある王国で開かれたお祭りの夜。
1人の美しい少女が、瞳の綺麗な背年と出会い恋に落ちる。
それはまだ、たくさんの国が海の中にあった頃。この星には5つの王国がありました。
一つは5つの国の中でも一番大きな国土を有する国。
その国は争いを好み、戦で5つあった国をどんどん自分の国の領土にしていきました。
そのやり方は残虐で、先住民を根絶やしにして国土を広げて行くのです。
その中で最初に消された国は、星を詠み予言で民を治める国でした。
王妃は自分の国がもうすぐ滅ぼされると知り、生まれたばかりの娘を連れて国外へと逃亡します。
この国の民は皆、男女とも容姿が美しいのが特徴でした。
金糸のような艶やかで美しい金色の髪の毛。
真珠のように美しく、艶やかで透明感のある白い肌。瞳はエメラルドのような美しい碧色をしておりました。
そのままの姿では、自分の身元がばれてしまう。そう考えて、王女は薬草で自分達の髪の毛と肌を黒く染め、馬車で国を渡り歩くジプシーの一座に潜り込んだのです。
王女の舞う神楽は美しく、又、彼女の占いが良く当たると噂になり、その一座は瞬く間に有名になりました。
最初こそ、ぞんざいに扱われてはおりましたが、人気者の彼女を旅の一座は大切に扱うようになります。
まだ幼い娘を連れ、王妃が逃亡して2つ目の国に入った頃、王女は自分の国が滅ぼされた事を知ることになるのです。
自分の国を滅ぼされ、愛する夫を殺された王女は悲しみに暮れ、ついには病に倒れてしまうのです。
それでも働かなければ、娘と自分はこの一座から追い出されてしまう。
国を追われた多種多様な民族がいるこの一座から離れてしまえば、王妃達の身分がバレて殺されるのは明らかでした。
王妃は病を隠し働き続け、娘が8歳の歳に病が悪化して命を落としてしまいます。
娘は王妃から、物心着いた時からずっと自分の素性を聞かされおり、決して人前で本当の姿を見せてはいけないと教えられて育ちました。
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