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その女性は、星が輝く夜現れる。
新宿の夜の街に、どこからともなく現れて、そして夜が明ける前にどこかに消えてしまう。
新宿には、そんな都市伝説のような噂があり、僕はいつかその女性に会ってみたいと思っていた。
僕の名前は『悠宇(ゆう)』、IT系企業に勤める27歳のごく平凡な独身の男性会社員だ。
東京都内のアパートに1人で住んでいる僕はお酒が好きで、会社は週休2日制で土曜日日曜日が休みのため週末金曜日は新宿に飲みに行くことが多い。
5月の金曜日に僕は行きつけのキャバクラに顔を出して、そのキャバクラでいつも指名する「亜衣(あい)」さんに都市伝説のようになっている女性の話を聞いた。
「その女性はとても美しくて、多くの人を魅了してしまうという噂なの…
たとえ相手が女性でもね!」
亜衣さんは、不思議な話をしてくれた。
「いったい誰なのかな?」
僕が疑問を口にすると、
「それが、わからないの…
どこの誰なのか、何が目的でこの新宿に現れるのか?」
亜衣さんもその女性のことが気になる存在のようだった。
僕も会ってみたいとは思うけれど、どこの誰なのかわからないようでは会うのは無理かなと感じていた。
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