星が輝く夜の女

6/9
前へ
/9ページ
次へ
僕は待ち合わせ時間に遅れないように、少し早めの時間に車で出発した。 途中渋滞することもなく新宿の待ち合わせ場所に30分程早く到着してしばらくすると、千夜さんが助手席の窓をノックする音が聞こえた。 僕が助手席に乗るように伝えると、千夜さんは助手席のドアを開けて車に乗り込んできた。 私服姿の千夜さんは、白のシャツ、白のバックリボンワンピースという夏らしくかわいらしい服装だった。 僕は車を走らせながら、 「暑いね!」 と話すと千夜さんは、 「そうですね!  でも今日は晴れて良かったですね!」 と笑顔で言葉を返してくれた。 僕は途中コンビニに立ち寄って千夜さんと飲み物とお菓子を買って、世田谷の用賀にある砧公園に向かった。 公園に到着すると広い芝生の星がよく見えそうな場所に、家から持ってきたシートをひいて千夜さんと2人で座った。 「ピクニックに来たみたいでいいですね!」 千夜さんが嬉しそうに話してくれた。 僕は千夜さんに出身はどこかと聞くと、産まれたときから新宿という答えが返ってきた。 前職も新宿の別のキャバクラで働いていたということだが、さらに学生時代のことを聞くと、 「秘密です。」 という答えが返ってきた。 僕は千夜さんのことをいろいろ知りたかったけれど、初めてのお付き合いであまり深く根掘り葉掘り聞くのも失礼かと思い、これ以上詮索するのはやめることにした。 この日は雲1つない晴天で、千夜さんは楽しそうに空を見上げて、きれいに輝く星を眺めていた。 その後の僕は千夜さんと星の話や世間話をして楽しい時間を過ごすことができた。 時間を忘れて話に没頭していた僕達は、23時頃公園を出て僕は新宿まで千夜さんを車で送った。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加