#01 I am a guilty man

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 リセットボタンを押すようには行かないけれど、やろうと思えば出来る。  自分の内側だけの問題だ。    他人の目に映る僕という世界そして結末は変わらない。  マキの振動が伝わる。納得の行かなさが伝わってくる。 「好きな女のこともそんな風に割り切れるというのか。大切な人間のことも、全部……」 「喪うのが、怖いんだ」  マキが目を見開いた。  これは僕の本音だった。 「いまんとこ……がっちがちで強張っちゃってんだ。……機械みたく固まっちゃってるっていうのかな、情が、動かない。僕は、……どうすればいいかな」  マキは僕を開放した。その乱暴さに、焦って僕は後ろ手をついた。  これも自分を守ろうとする働きだ。  下されるのは、  哀れみと同情の入り混じった目線だった。  僕はそういうのを受けるのは苦手でかつ――彼は、そういう感傷を表さない気質だったが。  黙って僕のうえから退き、ブレザーの襟をぴんと張って整え、踵を返す彼を、ショートフィルムのコマ送りのように僕は眺めていた。  去り際に一言。 「分からねえやつがんな顔するかよ、馬鹿野郎」  オレンジ色の扉からマキは消え去った。
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