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「何これ?」
「百寿饅頭ですよ、最近100歳が増えて、記念土産ができたんです。神戸の知り合いの店でしか売ってないから、わざわざリニア乗って、買ってきたんですよ。桃にかけて、ケツみたいな形してるんです。面白いでしょ?」
ケツって、女性が言う言葉か? この饅頭のために何百倍の交通費がかかっているわけだ。
「それにしても、まさか宇宙で待ち合わせする時が来るとは、思いませんでしたね。昔はシンギュラリティが来るだの、AIがどうのと騒がれた時代がかわいい」
「時間が経つと、当たり前になるからね。今それどころではないからな」
「そうそう、SFD? SFみたいなことになってるもんね」
「TDSだろ」
「それもさー、私らからするとピンと来ないんだよね。実生活に関係ないじゃん」
「それはうちらが裏で監視やら、セキュリティ頑張っているからなんすけどね……」
まもるが突っ込んだ。
「よもや、未来の情報がネットワーク障害で届いてしまって、さらに技術進化が加速したなんて、昔は想像もしなかったな……」
「ただ今回はかなり面倒なことになってるようなので、後で部屋で相談させてほしい」
「また、なんかやっちゃったの? さすが、マッドサイエンティスト! そのセリフ、何十回目かのような感じなんだけど」
りんねからすれば、そうかもしれない。いつも”ケツ拭き”役を買って出てくれるからな。
どうもこのメンツで話していると、緊張感がない。これから世界破滅の危機についての相談会? をやるという雰囲気ではない。
マッドサイエンティスト……クライアントはそう呼んでいたな。私が何か悪いことをしたのだろうか?
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