第I章 Story of Genesis

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「……なぜ?」 「データは未来に行けば行くほど、増加傾向を辿ります。その間、特に事象改善の情報は出てきていないのに、いきなりデータが途絶える。これはつまり、そもそもの発信先がなくなったと考えるのが、必然かと」 「マキナ、彼の言っていることが理解できる?」  意味不明なことを、急に言われたため、つい逃げてしまった。  マキナは首を傾げながら考えるしぐさの後、手をグーにしながら、力強く答えた。 「はい、わかります」  いや、そこは「ごめんなさい、よくわかりません」と答えてほしいところ。 「その件は協議会に報告済み?」 「さすがに話が飛びすぎなので、まずはつむぎさんに一報入れておこうと」 「なんでそんなに普通でいられる?」 「いや、なんとかなるんじゃないかと思って」 「で、どうしようと思っている?」 「うーん、どうしましょうか?」 「……」 「……」 「マキナ、どうしようか?」    マキナは首を傾げながら考えるしぐさの後、両手を合わせながら、答えた。 「ごめんなさい、よくわかりません」  テヘェと照れる仕草はかわいいが、役には立たないな。  まだまだ人間がやらなければならないことは、たくさんありすぎる。 「まあ、20年後だと私も生きていないだろうから、どうしようもないが……家族もあるしな」 「あ、それがまた厄介なことになっているんですよ」 「どういうこと?」 「最後の未来ログが……」「あなたの死亡情報なんです」 「え? 俺そんな歳まで生きるの?」  俺になってしまった。つい、本音が出た。 「そこですか、いやこの原因になんらかの形で、あなたも関わっているのではないか? ということが言いたいんですけど」 「私が原因と言いたい?」 「そうではないですが、なぜそこでログが終わっているのか、調査する必要はあるかと思います」
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