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「事が事だけに、もう少し詳しい調査、情報収集したうえで、報告したほうがよさそうだな。まもる、悪いが上まで上がってきてくれないかな? りんねも呼んでほしい。緊急会議を開きたい」
りんねは会社を経営するもう一人の女性役員、三人の役員で会社は構成されている。
「構わないですけど、上に上がるの……会社経費ということでいいすよね?」
まもるが恐る恐る聞いてくる。
「今期の業績はかなりよくなることがわかっているから問題ないよ。監査役には、私から言っておくよ」
「わかりましたー! 俺、宇宙エレベーター乗るの、初めてなんですよ! 服装はなんかドレスコードとかあるんですか? スーツじゃないとダメですか?」
「いや私服で全然構わないよ。リゾート目的の観光客がほとんどだから」
「やった、一度ホライズンカジノに行ってみたかったんですよ」
「浮かれるのはいいけど、トレーニングビザ持ってる?あれないと、クライマーに搭乗できないから、気を付けてくれ。あと関係者クーポンないと割引き利かないからな」
「了解しました。トレーニングビザって、どのくらいで取れるんですか?」
「二日間の実地トレーニングで、すぐ取れるよ」
まもるはこういうことは意外とよくわかっていない。大丈夫だろうか?
「少し心配だから来るときは、りんねと一緒に来てくれる? あいつはたまに接待で利用してるから、慣れたものだ」
「了解しました。また連絡します。マキナちゃん、また」
「お電話が終了しました」
マキナが手を振りながら、笑っていた。
ふと思うところがあったので、以前からの課題解決について、マキナに聞いてみた。
「マキナ、インフォロイドの量子ビットネットワークへの接続検証はどうなっている?」
「順調です。問題なく接続できることは確認できていますが、TDSの影響は受けてしまいます」
「どんな影響だ?」
「通常のTDS影響度は未来データが高く、過去データが低いのに対して、過去データの影響度が異様に高くなっています」
「やっぱりな、思ったとおりだな……」
「どういうこと?」
「詳しくはもう少しよく考えてから、会議で話そう」
「深層思考ですね?」
「そう、マキナのディープシンキングみたいなこと。疲れたので、また寝かせてもらうよ」
「おやすみなさい。良い夢を」
「おやすみ」
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