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「さて、これからどうすればいいんだ」
部屋中に雨音が響く中、僕は体育座りになりながら悩んでいた。
あの後、神白ちゃんは興味を失ったのかすぐに布団に潜り込んでしまった。知らない人の家で寝ることに忌避感がないのか、あっという間に寝息を立てていた。そのせいで僕は隅に座るしか選択肢がない。
床に座りながら考えるが時間が過ぎていくだけでどうにもいい案が思い浮かばない。
最初に思い付いたのは警察に連絡する。これが一番妥当だと思う。
しかし、先程外で見た腕と軽すぎる身体。身体的暴力とまではいかないがネグレクトに近いものを受けていたに違いない。
警察に行っても確実な証拠がない限りどうすることもできないだろう。
となれば。
「……腹を括るしかないのかな」
もう一つはこのまま家に置いておく。はっきり言ってこの案は使いたくないけど。
一歩間違えればこっちが誘拐犯扱いされるかもしれないし、仮に匿ったとしてもどうしてもお金が必要になってくる。念の為貯金はしてあるが精々数か月が限度だろう。
――――ため息を吐く。夜も遅い。彼女を正式にどうするかは明日決めることにしよう。
スマホの電源を入れるとスクリーンに表示された時刻はとっくに日付を過ぎていた。明日は朝から学校だし早く寝ないと。
ポケットに戻して壁に体を傾ける。雨に打たれたせいか体がだるい。
瞼を閉じるとすぐに睡魔が襲ってきた。
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