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テニスおじさん🎾サーティーラブ
担当コーチは「はじめまして、「あさの」です」と名乗った。
ジュニアの練習の見学の時より、意外に若い。足の筋肉は引き締まり、眼光は鋭い。
わたしは「はじめてクラス」なので、テニスコートのネットをはさんだ片側が半分しかないコートに案内された。
文字通り、半人前なようで、なんとも心細い。
仕方ない。耐え難きを耐えだ。わたしは上手くなろうと決意した。
レッスン初日は土曜日の昼間のせいなのか、「はじめてクラス」のせいなのか、女性が4人と男はわたしだけだった。
20代くらいのOL風が2人、40代ぐらいの子育てがひと段落した感じの奥さまの2人連れだ。この奥様たちは知り合いのようで、絶えず喋っている。
気まずさを感じるヒマもなく、コーチのあさのは体操を始めた。
私は屈伸をした途端に膝関節がポキポキ、腕を回すとグリグリ、腰を曲げ、逆にそらすとアイタタと声が出そうになる。これはテニスの前に身体の柔軟性を高めなあかんわい。50代のおじさんの衰えを初日から実感する。
それでも、コーチが私達のうしろから手で球出しをし、フォアとバックハンドに一球づつ打つ。当たると良い音がしてネットの向こうの半面コートに飛んで行く。これの繰り返しだったが、楽しかった。特にあさのコーチに褒められた時はなんだか、小学生の頃に戻ったような嬉しい気持ちになった。
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