20人が本棚に入れています
本棚に追加
テニスおじさん🎾続 河原にて
仮設コートを見廻し、私は達成感を感じた。だが、これは始まりに過ぎない。
まず、サービスライン(サーバーがサーブを打つ時、超えてはいけない中央のライン)の二歩くらい後ろから球出しの練習をした。
コーチの様に球を自然に落下させそのまま、打つのは、私には意外に難しい。あちこちにボールが飛んで、安定しない。そこで、野球のノックの要領で、軽くトスアップしていち、にい、さんで打つとボールをよく見れて、サービスラインの手前のいい位置にやっと入るようになった。コツをつかむまで、私は人の倍は時間がかかる。
これは仕事でも同じだ。ただし、自分の身体で覚えた事は決して忘れない。
次はコートの半面を使う、ベースライン(サーブを打つ時、踏み超えてはいけないライン)からの長い距離の球出しだ。これには前回の初級デビューで一番苦労した。初球はネットにかけ、2球目はコートを大きくそれた。見かねたペアはその球を拾い、球出しをしてくれた。
わたしは申し訳無さと、恥ずかしさでいっぱいになった。
ベースラインからトスアップし、チャァ、シュウ、メンで打つと、球はまっすぐ飛んで行った。これを何度も繰り返し、身体に覚え込ませる。
最後にクロスでの球出し練習だ。
サーブを打つ要領でデュースコート(自陣のネットに向かって右側のサイド)からクロスの球出し練習をした。
小さいコーンを相手側のサービスラインに二つ置き、これを狙う。
なんとかサービスラインの内側に入るようになった。わたしは週末になると、来る日も来る日も、仮設コートを設置し続けた。
ペグを刺し続けた場所には地面に目印ができ、ビニール紐を渡らせなくてもベースラインが分かるまでになっていた。
わたしは球出しにやっと、自信を持てた。
最初のコメントを投稿しよう!